マーキングとは、性的に成熟したオス犬が柱や壁などに頻繁に少量の尿をかけることで、自分のテリトリーを主張する行為です。縄張りを持つ動物には広く見られます。外で行われることがほとんどですが、家の中でマーキングが見られた場合には、家の中に何か不安を感じたり、自分の優位を示そうとするなど、様々な理由が考えられます。根本的な改善には原因を見つけ出し解決することと、服従訓練を行うことが必要です。
written by 本田真智子
来客吠えとは、犬が自分のテリトリーと思っている飼い主の家や庭などによその人間や犬が近づいてきた場合に、低音で激しく吠えることです。唸ったり、歯をむき出しにして威嚇する場合もあります。この家を守るのは自分だという意識が強い犬や縄張り意識が強い犬がよく吠えます。また、臆病な犬もよく吠えます。
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権勢症候群とは、犬が飼い主とその家族を自分の所属する群れと考え、その群れのリーダーが自分だと思うことで引き起こされる様々な問題行動です。犬が家族よりも自分の方が優位だと考え、その優位を脅かそうとする行動を飼い主が取った時に、咬んだり吠えるなどの攻撃をしてくることを優位性攻撃といいます。このふたつは原因が同じ、どちらも自分の方が飼い主よりも地位が上と考え、服従しなくなることにあります。 ほとんどの場合、症状は1歳過ぎてから現れますが、原因は幼犬の頃の飼い主の対応にあります。
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唸るとは、犬が飼い主や家族、来客、他の犬に対して唸り声を上げて威嚇することで、攻撃性のひとつです。唸ることで犬が自分のテリトリーであること、不快な気持ちであることや、相手に対して自分が上位であることを示します。唸ることから、吠える、咬むという行為につながりやすいので、唸っている原因をしっかり把握してからの対処が大切です。
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いたずらとは、主に飼い主が留守の時にやってほしくない行動を犬がすることです。例えば、ペットシーツをちぎる、ティッシュペーパーを箱からすべて出してしまう、家具などを咬む、ゴミ箱をあさる、盗み食いをする、入ってはいけない部屋に入るなどです。多くの場合は、飼い主にひとり置いていかれることからその不安や不満をまぎらすために行います。ただし、ゴミ箱をあさったり、盗み食いをする場合は、消化器系の病気が疑われる場合もあります。
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マズルコントロールとは、犬の鼻先の部分(マズル、口吻)を飼い主が手で触ったり、押さえても、抵抗しないようにするトレーニングです。
マズルコントロールには、飼い主が愛犬の顔を触って歯磨きをしたり、目やにをとったりするために、人の手は怖いものや嫌なものではないと教える場合と、犬にとって物をつかんだり、食べたりする大切な部分である、口や鼻先を飼い主がコントロールすることで、犬に服従心を与えるという場合があります。
飼い主が体を触ってケアする意味でも、咬み付きなどのトラブルを防ぐためにも、大切なしつけですが、人間の手を嫌いにしないためにも慎重なしつけが望まれます。
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興奮とは、来客に尾を振って出ていき、飛びついたり、サイレン、車のクラクションなどに吠えたり、散歩中に喜んでリードを引っ張ってしまう、ボール遊びなどに熱中して激しく吠えるなどです。興奮が過剰になると、周囲にいる人を攻撃する場合もあります。興奮は、ある刺激に対してハイになるような条件付けが出来てしまったり、刺激の少ない環境での飼育などによって引き起こされることもありますし、種類によっては興奮しやすい犬もいます。
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問題行動とは、飼い主にとって放っておけない、困る、または不便な犬の行動のこと。飼い主の言うことを聞かない、吠える、かむなど、飼い主を直接困らせる行動と、外で他の人や犬に対して迷惑をかける行動があります。飼い主と犬との関係がうまくいかない場合、犬の社会化がうまくできていない場合に起こることが多いようです。
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甘咬み・甘噛みとは、子犬が母犬やきょうだい犬、家族などに対して軽く咬むことです。これは遊びや意思表示のひとつです。遊びの中で、甘咬みをしたりされたりしながら、咬む加減などを覚えていきます。人間に対しても手足にじゃれついて同じように甘咬みをしてきますが、それを許していると成犬になっても咬み癖が残ることがあります。また、自分の方が上だと勘違いすることもあります。子犬だからと甘やかさずに、人を咬んではいけないということを教えることが大切です。
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引っ張りグセとは、犬が飼い主の脇について歩くのではなく、先に立って自分の行きたいところに引っ張るようにぐいぐいと進むことです。引っ張りグセがあると、車や自転車と事故を引き起こす危険があります。また、飼い主が付いていけずに転倒することもあります。引っ張りグセを放っておくと散歩の主導権を犬が握ることになるので、言うことを聞かなくなることもあります。
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分離不安とは、飼い主が一緒にいないことに強い不安を感じ、我慢できなくなる症候群です。留守にされることで起きる場合が多いのですが、犬によっては飼い主の姿が見えないだけで、不安でパニックになることもあります。
現れる問題行動は、家の中のものを咬んだり壊したり、わざとトイレ以外の場所で排泄をしたり、ひどく吠えたり。また、自己刺激といって自分の足や尾を病的に舐め続けたり咬み続け、被毛がはげたり皮膚が化膿することもあります。体調の変化として下痢や嘔吐、震え、食欲不振などの症状が出ることもあります。
犬が神経質だったり、飼い主に依存していたり、幼い時に母親や兄弟、飼い主と離れたことがなかったり、逆に飼い主がたびたび変わる犬に見られるものです。
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ここでいう遊びとは、子犬や1歳くらいまでの若い犬が遊びのつもりで人間に向かって歯を立てたり唸ったりすることで、攻撃行動のひとつです。本気の場合と違い咬むときの力は加減されています。
ただし、早い時期に兄弟犬から離されてしまい、遊びの中で加減を覚える機会がなかった犬では、強く咬むこともあります。また、子犬のうちにやめさせないと、攻撃性がエスカレートする場合もあります。
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無視とは犬の問題行動に対する対処方法のひとつです。犬の問題行動の多くは、飼い主や周囲の反応によって増長するので、「その行動をしても飼い主や家族の関心を示さない」と理解させるために無視という手段を使います。
飼い主がほめること、叱ること、無視することを上手く使い分けて、リーダーシップを発揮することが問題行動を起こさせないために大切です。
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食糞とは犬や他の動物の糞を食べることで、子犬や若い犬に見られます。子犬の場合は成長と共に食糞をやめることもあります。ただし、飼い主の注意を引きたくて食糞をする場合や、糞の味を覚えてしまいやめられない場合、栄養不足などの場合もあります。犬の様子に注意して、食糞の原因を探ることが必要になってきます。
成犬で食糞が始まり、なかなかおさまらない場合は消化器系の疾患の可能性もありますので、獣医師に相談した方がよいでしょう。
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雷恐怖症とは、雷の音に対して激しい恐れを示すものです。雷の前触れとなる湿った風や雨などでも恐れの反応を示します。大変な雷恐怖症の犬の場合、朝からそわそわして落ち着かず、その様子を見ているだけで雷雨が来るとわかるくらいです。現れる反応は雷がなると涎を垂らす、目を見開く、排泄する、鳴いたり吠えたりする、物陰に入り込んで隠れようとする、震えるなど。パニックになって逃走したり、失神することもあります。対処方法は、少しずつ雷の音に慣れさせることですが、それには細かい配慮や段階的な対応が必要です。
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脱走・逃走とは、犬が1頭で勝手に自宅から出て行ったり、散歩中などに走り去ってしまうことです。原因は発情期、ストレス、偶然外に出てしまったら楽しかったので癖になった、他の犬に追われる、雷などでパニックになるなど、様々です。脱走や逃走で行方不明になる場合も多いので、原因を突き止めて癖にならないように改善することが必要です。
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威嚇とは、相手よりも自分が優位にあることや、縄張りなどを示すための行動です。歯をむき出し、低い唸り声を上げます。高じると吠えたて、噛み付くなどの行為に出る場合もあります。犬が食事をしているときに手を出した時や、犬が座っているソファに座ろうとする時などに威嚇をする場合は、自分を家族よりも順位が上に思っていることがあります。
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齧るとは、犬が大好きな行為のひとつで、齧るおもちゃもたくさんあります。問題になるのは、家具や家電、大切なものなどを齧って、傷つけたり壊してしまうことです。その場合は、齧ってはいけないものをきちんと教えることが大切です。また、退屈しているために家具を齧るなどの行為に出る場合があります。齧る行為の原因をきちんと見極めることが大切です。
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拾い食いとは、散歩などで歩いている時に、道に落ちているものなどを食べてしまうことです。食べ物だけでなく、他の犬の糞、昆虫、草や葉っぱ、金属類など様々なものを食べることもあります。農薬入りのソーセージを食べてしまい、死んだ犬もいました。胃腸障害や感染症など、犬の体には悪いので、絶対にさせてはいけません。
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飛びつきは人間などに飛びかかる行為です。犬は、飛びつく相手を自分よりも下か同等の順位と思っており、自分の優位を示したり、支配したい気持ちから飛びつきます。よく子供に飛びかかるのは、犬が明らかに自分よりも子供を下に見ているからです。また、興奮して飛びかかる場合もあります。興奮している場合は、相手に噛み付くなど攻撃的になる場合もありますので、注意が必要です。
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天罰方式とは、犬の好ましくない行動を矯正する方法のひとつです。飼い主が直接犬を叱り、やめさせるのではなく、犬に誰がやったのか確認できない方法でペットボトルを落としたり、水鉄砲や音の出る物などをつかって犬を驚かせて、好ましくない行動をやめさせます。そして、犬に「ある行動をした」ら「大きな音がした」「ペットボトルが落ちてきた」など不快なことが起きるというように条件付けをして、その行動をさせないようにしていきます。この方式を使う場合には、心的に驚かせますが、体をぶったり、尻尾を引っ張るなど身体に対して罰をくわえません。
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カウンセリングとは、犬の問題行動を心理学など行動科学を元にして、治療していこうというものです。行動治療カウンセリングともいいます。問題行動は体の病気から来る場合もあるので、まずは獣医師が身体的な診断をして病気がないと確認してから、行動治療カウンセリングに入るのが一般的です。犬の行動を直接観察するだけでなく、飼い主に問診を行い、時間をかけてバックグラウンドや日常の生活、飼い主との関係など様々な角度から問題行動を正確に把握して、適切な治療を行います。
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粗相とは犬がトイレのしつけができているにもかかわらず、トイレ以外に排泄をすることです。だいたい、家族が留守や見ていないところでします。ストレスや精神的な不安などによって起こりますので、犬が粗相を何度もした場合には犬にとってストレスがかかる環境になっていないか生活を見直すことが必要です。
病気や高齢でも粗相をすることもありますので、動物病院で検査をしてもらい、原因を突き止めてからの対処が重要です。
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守るとは、所有欲ともいい、犬が自分のお気に入りのおもちゃや骨などを飼い主や家族に触らせないで、自分がコントロールしようとすることで、無理にとろうとすると唸ったり咬んだりすることもあります。このような行為は、犬と飼い主が信頼関係を築けない場合に起こります。守る行為、過度の所有欲は権勢症候群にもみられる行為です。
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ものをかくすとは、おやつやおもちゃなど自分が好きなものをハウスの中、ベッドの下、土に埋めたりして隠すことですが、犬にはもともと食べ物を隠す習性があります。問題は、犬が飼い主にかまってほしくて、スリッパや下着などの飼い主にとって必要なものを隠す場合です。犬が物を隠している場合には、何を隠しているのかを確認して、犬とのコミュニケーションがちゃんと取れているのかを考える必要があります。
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捕食行動とは犬が狼だった頃に、群れで獲物を捕まえていた狩猟行動に由来しています。この行動は、猫や小鳥などの生き物を熱心に追いかけたり、ボール、走っている人間、自転車やバイクなどを追いかけるという行為に現れます。牧羊犬などはこの捕食行動を強く残して、交配されます。そのために、ボーダーコリーなどが走る子供を羊のように追い立てることがあります。捕食行動が強い犬はしばしば動くものを追いかけますので、飼い主は十分な注意が必要です。
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乗り物追いかけは、犬がバイクや自転車、自動車など、動くものを獲物に見立てて追いかけることです。電車を追いかける犬もいます。犬が狼だった頃の行動の名残で、本能にある正常行動ではあるのですが、犬や飼い主を危険に陥らせることもあります。散歩中に犬が急に自転車を追って走り出して、リードを持っていた飼い主が転んだりということもあります。
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マウンティングとは、多くの場合性行動の一種で、特に雄犬に見られる行為です。他の犬や人の足、時には物に対して腰を使うことです。子犬の遊びの中でも見られることもあり、性行動ではない場合もあります。犬が自分の優位性を表す場合にもすることがあり、優位性攻撃として飼い主にマウンティングすることも見られます。
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所有欲とは、犬が大切しているおもちゃ、食べ物、飼い主の愛情などを守ることで、そのために同居している犬や人が近寄ると、唸ったり、吠えたりという攻撃行動をとります。これは、権勢症候群、優位性攻撃が関係する場合もあり、飼い主や家族に対しても所有欲のために攻撃をすることがあります。飼い主がリーダーシップを執ることが大切です。
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臆病とは、犬が他の犬や人、乗り物、音など、様々なものに対して無差別に恐れを示し、外出や見知らぬ犬や人などに会うなど新しい刺激を嫌うことです。特定の刺激に対して激しい恐れの様子を示す、恐怖症とは違います。また、臆病な犬は追い詰められると、吠えるや咬むなどの攻撃行動を起すことがあります。
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猫のワクチン麻痺
遺伝による問題行動とは、もって生まれた性格や犬種の特性など先天性のことが原因で起こる問題行動のことです。犬は、人の用途に合わせて選択交配をされて、それぞれの犬種による特性を固定化されました。そのために、例えば、狐やうさぎ狩りに使うビーグルは吠える、闘犬のブルドックやマスチフなどは興奮しやすく、攻撃性を示しやすい、羊を追うボーダーコリーは車や自転車など動くものを追いやすい、等々の特性があります。これらの特性が、家庭犬として変われる場合に、飼い主からみて問題行動となります。
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生理学的な問題行動とは、性ホルモンによって起きるものです。マウンティングやマーキング、犬同士、特にオス犬同士のケンカなどの問題行動として現れます。去勢、避妊などによってある程度防ぐことが出来ます。
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環境による問題行動とは、犬がどのような経験を経てきたのか、またはどんな環境で飼われているか、飼い主との関係など、後天的なことが原因で起こる問題行動のことです。早期に兄弟犬や母犬と離れたために、社会化が十分できなかったり、虐待などで人間と信頼関係が築けず攻撃的になったりします。環境は犬の性格に大きな影響を与えます。犬と飼い主の幸せを考えて環境を整えることが大切です。
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ライバル心とは、多頭飼いの犬が同居の犬に対して、飼い主や家族からの愛、家族の中での地位などを争おうとすることです。犬は群れの中での自分の順位にとても敏感ですので、多頭飼いの場合は、飼い主が気をつけてあげることが必要です。食事や声掛けなどで、先住の犬を優先させることで、犬同士の間で順位が決まりライバル心からの争いがなくなります。
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縄張り意識とは、犬が家や散歩コースなどを自分の縄張りと認識して、守ろうとすることです。犬はもともと縄張り意識が強い生き物なので、訪問客に吠えたり、散歩中にマーキングすることは、自分の縄張りを主張するために行う行動です。ただ、縄張り意識が強すぎ、家の中にマーキングしたり、盛んに吠えたりすることは問題行動とされます。
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ナーバスとは、犬が神経質や臆病なことです。散歩を嫌がる、物音に過剰に反応する、家族以外の人を怖がったりして、吠えたり、唸ったりという問題行動を起こすことになりがちです。もって生まれた性格もありますが、社会化が上手く出来なかったり、怖い経験をすることでナーバスになることもあります。環境による場合には、原因を見つけて取り除くことが大切です。
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順位付けとは、犬が家族の中で自分の地位や家族の優劣を決めることです。犬は狼と同じように、順位付けのある群れをつくります。人間と暮らす場合でも、犬は家族を群れと考え、その中で犬の本能として優劣をつけ、誰を自分のリーダーとして従うのか、誰が自分より劣っているとして優位性を示すのかを決めます。ただ、この順位は変わりますので、犬が自分を家族(群れ)のリーダーか考えた場合でも、服従訓練などで人間をリーダーと理解させることが出来ます。
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ヒートとは、メス犬の発情期のことで、シーズンとも呼ばれます。小型犬では生後約7〜10カ月、中・大型犬では生後約8〜12カ月でヒートになり、出血します。それ以降、1年に2回あります。その期間は、繁殖できるよう性ホルモンが大量に分泌されます。
去勢していないオス犬は、メス犬がヒート中に発する性ホルモンのニオイに刺激され、家出したり、他のオス犬と争うといった行動をみせたり、コントロールできない状態になることがあります。
ヒート中のメス犬の外出は、周りのオス犬に影響を与えると考えて、十分な注意が必要となってきます。また、オス犬の飼い主は繁殖する意思がない場合、健康や問題行動の予防のためにも犬の去勢を考えたほうがよいでしょう。
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常同行動は、同じ行動がまったく同じパターンで繰り返されることで、例えば足をずっと舐め続けたり、同じところをぐるぐる回り続けたりといった行動をします。脳や神経の疾患、外傷などで起こる場合や、ストレスや極度の不安感を感じる状況に置かれた場合に起こることもありますので、気になる場合には病院で診察するとよいでしょう。また、ある行動をした時に飼い主が褒めたり、喜んだり、おやつを与えるなど何らかの報酬があった場合には、その行動が強化されたとも考えられます。その場合には、訓練によって改善することが出来ます。
問題は、疾患や外傷などによる場合と、足を舐め続けるなど自傷行為に結びつくことです。
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強制行動とは、自分でコントロールできず突然その場面に必要のない行動が始まり、中断することなく繰り返されることで、他の行動ができなくなります。例えば、自分のしっぽを追いかけてグルグル回ったり、幻影を追いかけたりする行動が、急に起こります。常同行動と同じように、脳や神経の疾患、外傷や過度のストレスで起こる場合もあります。
病気などの場合は病院で診察するとよいでしょう。また、犬との関係や訓練などを見直して原因となるものを取り除いたり、訓練によって症状を改善することも出来ます。
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肥満は、犬の体重が標準よりも重くなることです。問題は、犬種によって腰や足に負担がかかり、腰痛や関節痛などを引き起こすことも。肥満になり体を重く感じた犬は、散歩や運動を嫌がるようになります。犬の健康のためにも、肥満は防ぎたいものです。食事の訓練や拾い食いなど食べることに関わる訓練をしっかりすることも大切ですが、犬がほしがるからといって人間が食べ物を与えすぎないようにすることも必要で、人間の我慢強さもためされます。
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異物の飲み込みとは、犬がゴルフボール、ヒモ、釣り針などいろいろな異物を飲み込むことです。障害を引き起こすことや、生命に関わる事態にもなりますので、飲み込みには注意が必要です。目の届かない場合に飲み込むことがあるので、拾い食いや食事のしつけや呼び戻しをしっかり覚えさせることが大切です。また、一度異物を飲み込んだ犬は、何度も繰り返すことが多いので、飲み込みそうなものを犬の周囲に置かないようにしたり、ノーリードをしないなどの注意も必要です。
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穴掘りとは、犬が足や鼻先などを使って、庭の土などを掘り起こすことです。穴を掘ること自体は、犬の正常な行動なので、体を冷やしたり寒さをしのぐためや大切なものを隠すなど、目的があり穴を掘っている場合は問題にはなりません。
退屈やひまつぶしのために穴掘りをしている場合は、人間が一緒に遊んだり、散歩をする時間を増やしたりと、楽しい時間を作ってあげましょう。
また、家の中でソファや畳を掘るようにかきむしったりする場合は、大きな不安感や激しいストレスなどを抱えている場合もありますので、原因を突きとめ改善する必要があります。
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多動症とは、自己制御が出来ず活発に動いたり、極端に警戒したりすることです。一度興奮状態になると、人間の指示も聞こえないし、体を触ったり、抱こうとすると噛むこともあります。症状は、噛み付きを加減しない、休みなく動き回る、常にあたりを見回して警戒する、なれることに時間を要する、失禁、物品破壊、常同行動などです。社会化がうまくいかなかったり、精神的な病気、遺伝など原因はいろいろ考えられます。動物病院や問題行動の専門家に相談したほうがよいでしょう。
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ペーシングとは、同じ速さで同じところを繰り返し歩くことです。常同行動または強制行動として現れます。ケージに閉じ込められていたり、刺激の乏しい生活をしている場合に起こります。
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恐怖症とは、大きな音に対して犬が激しい不安感や恐怖心を抱くことです。雷、花火、オートバイのエンジン音、車のクラクションなどの音を聞くと、落ち着きがなくなったり、震えたり、ひどい場合はパニックを起こすこともあります。恐怖症にならないためには、子犬の頃からさまざまな環境や音などに刺激を与えることが大切です。社会化が不十分な場合、恐怖症になりやすいといわれています。
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反抗期とは、犬が今まで出来たことをわざとやらなくなったり、主導権を握ろうとしたりすることです。例えば、散歩の途中で止まって動かなくなったり、勝手な方向に行こうとしたり、おもちゃを飼い主から取られないように守ったり。放っておくと、権勢症候群になることもあります。
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自己刺激行動とは、犬が自分の体や足をしつこく舐めることで、毛をむしったり皮膚を傷つけたりすることです。皮膚炎や外傷、脳や神経の疾患で引き起こされることがありますが、原因が分からないこともあります。このような行動が起こった場合は、自分の体を傷つけるので、獣医師や訓練士などと相談しながら、治療をしていくことが大切です。
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咬む・噛むとは、犬が人やものに歯を当てること。「吠える」と並んで咬むことが、犬の問題行動では多いようです。怖いから、自分のものをとられそうだから、テリトリーに侵入しようとするから、自分がリーダーだと勘違いしているから等々、咬むには理由があります。飼い主は咬まない犬に育てることが大切ですが、咬んだらその理由を確かめて、しつけをすることが必要です。
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嫌悪療法とは、犬が嫌いなことを利用して問題となる行動をやめさせる方法です。犬が、ものを追いかけようとしたり、吠えようとした時に、嫌いな音を出したり、水鉄砲などで気をそらして、一旦行動を止めます。そして、褒めたり、一緒に遊んだりすることで、問題行動を矯正していきます。
利用する方法は、犬の行動を見て選んだり、加減することが大切です。
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