シリーズ:添乗員のための旅行医学 (2010年7月)
海外旅行へ行く際、感染症を防ぐため接種するトラベラーズ・ワクチン。日本では認識が低いため、どんなワクチンがあるのかさえ、よく知られていません。では実際、どんな時に接種を考慮すべきか、どこでうけることができるかなど、渡航医学センター西新橋クリニックの大越裕文院長に教えていただきました。
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もっと予防接種を
欧米の調査では、旅行者の20〜40%が代表的なトラベラーズ・ワクチンであるA型肝炎ワクチンを接種して海外旅行に出かけます。ところが途上国への日本人旅行者を対象とした2007年の調査では、接種率はわずか約2%にとどまっています。
旅行を楽しむためには、自分の身は自分で守るという意識が必要です。途上国へ渡航する際は、トラベラーズ・ワクチンの接種が望ましいでしょう。
日本で接種できるトラベラーズ・ワクチン
減量の3D画像
接種が義務付けられているトラベラーズ・ワクチン
表のうち黄熱ワクチンだけは、国によって接種が義務付けられています。理由は旅行者が感染すると致死率が50%と高いため。まずは渡航国が接種を義務づけているかどうかを確認し、必要な場合、入国の10日以上前に検疫所で接種しましょう。
渡航先の状況でワクチンの種類を判断
途上国に行く場合、黄熱以外ではA型肝炎のワクチン接種が基本です。さらに感染症の流行や、活動内容を考慮して、B型肝炎(体液や血液で感染)や破傷風(土から感染)、狂犬病ワクチンの追加接種を受けます。南アジアの場合は腸チフス、アフリカの中央部の場合は髄膜炎菌も検討しましょう。
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ワクチンを受ける時期
3回接種が基本のワクチンは、出発の2週間前までに2回以上の接種を受けます。基本接種が1回のワクチンも、出発の2週間前までに済ませましょう。ワクチンの効果が出るのに時間がかかるからです。すでに基本接種が終了している人は、1回の追加接種で十分です。
費用はどのくらい?
ワクチンの値段は各医療機関により異なります。大まかな目安はいずれも一回につき、破傷風4000円前後、日本脳炎5000円前後、黄熱10000円前後、A型肝炎、B型肝炎8000〜9000円、狂犬病、髄膜炎菌、腸チフスは10000円以上です。
接種できる場所
基本的にどこの医療機関でも受けられますが、海外渡航者を専門に扱うトラベルクリニックだと、ワクチンの種類が多く、日本の医療機関では通常扱わない髄膜炎菌や腸チフスのワクチンなども扱っています。また、渡航先の情報入手や健康指導も受けることができます。また、各地の検疫所などでも接種可能です。
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