言うべきか、言わざるべきか…
(To tell or not to tell)
あなたが幾らお金を持っているかを他人に教える必要が全くないのと同じように、diabetes(糖尿病)があることを告白する義務はないのです。これはプライバシーの問題です。
言うべきか否かは個人の自由ですが、万が一の場合に第三者の援護が必要な低血糖の症状がある人を除いて、わざわざ言うこともないでしょう。
あなたがdiabetesと診断される前のことを考えてみてください。糖尿病なんてどんな疾病だか知っていましたか?どこが痛むのかな?甘いものの食べ過ぎかな?…実は何も知らなかったでしょう。会社の仲間も皆そうなのです。
誰でも自分の尺度で他人を判断します。たとえば或る人の親戚に重い合併症を併う患者がいたとします。その人はあなたのことを無意識に出世コースから外れた重病人だと思い込んでしまうかも知れません。
ある時、知人と「飲み過ぎて肝臓を悪くした人はまるで勲章のようにそのことを言い触らすのに、diabetesの人はなぜ白い眼で見られるのか」という話をしていたら、その知人が遠慮勝ちにこんなことを訊くのです。「本当にインポテンスになりますか?」
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教訓(1):インポ野郎と言われたくなかったらdiabetesのあることを公表するな!
教訓(2):しかるにモーニング・エレクションがあるから、ひそかにまだ大丈夫だと思っている友よ。名医、松岡健平によると最後のあがきで一時的にパワフルになることもあるのだ。血糖値を正常にすれば残念ながら年相応になります。
宴席で酒を勧めていた人があなたの顔を見て一瞬ためらったらどんな気がしますか。特別扱いがうれしいたちですか。それとも病人扱いが厭でぐぅっと飲みほしてみせますか。
この辺りの心構えができていない人は、うっかりとdiabetesを口にしてはいけません。血糖コントロールを乱すもとです。
連日連夜の接待で発症した花形の営業マンが閑職に回された話はあまりにもありふれています。酒は勧め上手になればいいのです。
役員になったら晴れてDチームのメンバーであることを明らかにして、"D"社長と相憐れみ助け合う仲間になりましょう。それ迄にはこのSOMOSで達人コースを会得するのです。
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差別に敏感なアメリカ(USA)は逆にdiabetesの差別が少ない国です。差別に鈍感な日本はdiabetesの差別がはっきりとしない国です。しかし、一度仲間はずれにされると救いはありません。
アメリカでも少し前までは色々な障害がありました。diabetesのある親がいるだけで息子が徴兵リストから除外されたものです。
今でも職業軍人が発症すると、直ちに軍務からはずれて査問を受けます。インスリンが必要な人は外地派兵は無理ですが、今では病態や仕事によって軍務を続けられる可能性が出てきました。
ダイエットとエクササイズでコントロールできる人はあまり心配しなくていいようです。
欧米ではdiabetesを難しい慢性病としています。日本では有難いことに成人病だとか、生活習慣病などとあまり深刻でない扱いをしてくれます。願ってもないことですから異を唱えないようにしましょう。
インスリンを注射していようが、薬を服用しようが血糖コントロールが上手くいっていれば病人ではないのです。diabetesは重い疾病(disease)ですが、普通に仕事に就けるあなたは決して病人(sick,ill)ではありません。
再就職の面接で口を拭って知らん顔をしていても後ろめたく思うことはありません。問われているのは「仕事が出来るかどうか」ですから。
以前、アメリカ糖尿病協会(ADA)が To tell or not to tell の世論調査をしたことがあります。
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この調査では殆どの人がオープンにしていますが、ADAの会員はdiabetesと診断された一千万人の中の2~3%にすぎません。
問題意識の高い集団ですからこういう結果が出たのでしょう。
オープンにする利点を考えてみましょう。
- 隠す必要がないので血糖測定、インスリン注射、薬の服用、食事時間を守ったり補食などの治療がやり易くなる。
- 家族や仕事仲間から低血糖時の介護が受けられる。
- 疾病への心構えが早く出来る。
初めてdiabetesと診断されるとショックを受けます。次ぎに誰でも心の中でその事実を否認したい感情が起きます。
たとえば;
- それほど切実な状態ではないだろう。
- 一口位(一杯くらい)で悪くなるはずがない。
- この仕事が終わったら医者に行くから。
- この傷はその内に治るだろう。
- やりたくても時間がない。
- インスリンではなく薬だから軽いはず。
- 自分の体のことは自分が一番よく知っている。
オープンにするとこのショック→自己否認からの立ち直りが早くなると言われます。
diabetesは長期にわたる辛抱強い自発的努力が要求されますが、それは正しい理解に基づく病気の「受容」が第一歩です。
オープンにする欠点はどんなものでしょう。
- 偏見と差別を受けます。仕事でも私生活でも、何が問題なのか理解できないままに遠ざけられます。銀行の住宅ローンの審査でも拒否されます。どんなによくコントロールしていてもです。そういう規定なのだからなにも言わずにローンを完済することに専念しよう。(公的な金融機関は糖尿病のことを問いません。憶えておいてください)
- 悪意のある中傷を受けます。何かヘマをすると何でもdiabetesと関連づけられます。 転んでも糖尿病、風邪で休んでも糖尿病です!
- 善意によるお節介を受けます。
口コミやTV,健康雑誌の怪し気な治療法を知ると、あちこちからご忠告を頂きます。頼みもしない健康食品や○×茶が届くことを覚悟しましょう。 断れば気まずくなるし、頂戴すれば恩人のような顔をされます。
毒にも薬にもならなければまだ良いのですが、スルフォニル尿素剤を隠し混ぜた漢方薬などはとても危険です。
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