2012年4月24日火曜日

りんごの樹動物病院


猫の甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)は高齢の猫に多い病気で、甲状腺からのホルモンの過剰産生によって起こります。このホルモンの産生が増加する最も多い原因は、甲状腺の腫瘍です。これらは良性の腫瘍もあれば悪性の腫瘍もあります。
【治療】
手術で甲状腺を取り除くことが勧められます。ただし、手術で甲状腺を除去した場合、生涯にわたって甲状腺ホルモンを与え続ける必要があります。一方、お薬で甲状腺の機能をコントロールする内科的な治療法もありますが、腫瘍が悪性なのかもしれないし、長期にわたって薬を与えると激しい副作用が起こる可能性があるため、長期にわたる内科的治療は一般的に勧められていません。
心臓病が既に起こっているときは、ペットが手術に耐えられる状態になるまで内科的な治療を行います。
【症状】
・急に元気になり攻撃的になる
・食欲が増しているにもかかわらず体重が減ってくる
・毛艶が失われてくる
さらに進行すると
・喉の渇きや尿量が増える
・嘔吐や下痢が見られる
・やがて食欲が落ちてくる
・心臓の病気を併発することもある
症状については1項目のみの場合もあれば、複数項目の場合もあります。

糖尿病


痛みラウンド心臓領域のようなステッチ

糖尿病はインスリンの作用が不足することによって起こる病気です。インスリンは膵臓でつくられるホルモンで、身体の細胞が血糖を利用するために必要なものです。インスリンの作用の不足により、糖は血中にとどまり(高血糖)そして結局は尿へと排泄されます(糖尿)。血糖の増加は多飲や多尿などの症状として現れます。治療しなければ、腎不全や昏睡状態に陥り、最終的に死に至ってしまいます。
合併症として、
犬の場合は、白内障・肝疾患・感染症・自律神経失調症などを、猫の場合は、膀胱炎・腎不全・脂肪肝・感染症などを起こすこともあります。
【治療】
糖尿病は根本的に治せる病気ではありませんが、インスリンの投与と食事管理・運動管理で病気をコントロールすることが出来ます。また、食事療法など行って肥満などの原因を改善すればインスリンに頼らなくてよいケースもあります。メスの場合は避妊手術も効果がある場合があります。
【症状】
・水をがぶがぶ飲んだり、おしっこの回数や量が異常に多い
・ぐったり弱ったり、元気が無い
・食べているにもかかわらず痩せてきた
・頻繁に下痢や嘔吐をする
症状については1項目のみの場合もあれば、複数項目の場合もあります。

低血糖症


健康的な減量の週

低血糖症とは体のエネルギーに必要な血液中の糖が少なくなる病気です。
・子犬の場合
生後3ヶ月までに多く見られます。消化管内寄生虫症など、何らかの疾患がある犬が、長時間食事がとれないことがきっかけとなって低血糖症を発症します。成犬では数日間は血糖値を維持できますが、子犬では維持できません。
・成犬の場合
5歳以上の犬に多く、副腎皮質機能低下症によるホルモンバランスの異常、膵臓の腫瘍によるインスリンの過剰分泌、重度の感染症などの疾患が原因で低血糖症を発症します。また糖尿病にかかっている犬で、インスリンの過剰投与によって陥る可能性があります。
【治療】
他の病気と鑑別するため、また、低血糖の原因となる疾病の特定のために血液検査などが必要です。その結果によっては、ブドウ糖の投与などを行います。
また、低血糖を起こす原因の治療と食事管理を行います。
【症状】
神経系にエネルギーが行き渡らないため精神的異常を起こし、ウトウト状態、逆に興奮状態、奇妙な行動、筋肉のふるえや体のケイレンなどを起こします。
・失神、ケイレン、てんかん発作を起こした、元気が急になくなった
・おかしな行動をする
・異常にガツガツ食べる、逆に、ほとんどなめるくらいしか食べない
症状については1項目のみの場合もあれば、複数出る場合もあります。

犬の甲状腺機能低下症


私のつま先の上部の痛み

甲状腺機能低下症は、遺伝やストレスが原因となって、体の代謝に必要な甲状腺ホルモンが欠乏することによって起こる病気です。また、クッシング症候群などのほかの病気が引き金になることもあります。
この病気は2才以下では希にしか見られませんが、中年や老年ではよく見られます。また、中型犬、大型犬に比較的多く、小型犬ではあまり見られません。
ひどくなると衰弱して死に至ることもあります。
【治療】
診断には甲状腺ホルモンの測定、治療には甲状腺ホルモンの補給が必要となります。
【症状】
・元気がなくなる、動きが鈍くなる、睡眠時間が増加する
・悲しげな顔つきになり、名前を呼んでも反応が鈍い、目に覇気がない
・食欲、体重が増加する
・被毛や皮膚のつやがなくなる、脱毛や発毛の遅延、繰り返す皮膚感染
・皮膚に黒い色素が現れる、軽度の貧血などです
症状については1項目のみの場合もあれば、複数項目の場合もあります。

クッシング病(副腎皮質機能亢進症)


クッシング病とは、副腎から副腎皮質ホルモンが過剰に分泌される病気です。副腎皮質機能亢進症の原因は脳下垂体の腫瘍、副腎の腫瘍などが考えられます。また、長期間ステロイド剤を使用した場合に起きる可能性もあります。
副腎皮質機能亢進症はゆっくりと進行する病気で、見過ごされてしまうことも少なくありません。病状を診断し、その原因を見つけ治療計画をたてるために、血液による副腎機能検査、超音波検査、レントゲン検査などが必要になります。
【治療】
外科的治療により、腫瘍をなくすことが原因治療となります。内科的に、ステロイド剤が原因の場合は投与間隔を長くする、減量するなど薬剤のコントールールを慎重に行う必要があります。うまくコントロールできることもあれば、動物によっては不幸なことに治療しても悪化していくものもあります。
【症状】
初期の徴候は
・食欲の増進、多飲多尿など
さらに、
・皮膚が薄くなる
・おなかが大きくなる
・身体の両側で左右対称の脱毛
・何度も吐いたり、下痢をする
・元気が無くなる、異常な行動をする
・皮膚病が治らない、ぶつぶつする
・毛ヅヤがわるい、毛が薄い、ハゲてきた
症状については1項目のみの場合もあれば、複数項目の場合もあります。

アジソン病(副腎皮質機能低下症)


アジソン病とは、副腎皮質ホルモンの分泌が必要以上に低下する病気です。自己免疫疾患、感染症、悪性腫瘍などが原因となり、ステロイド剤の投与を急に止めたり、脳下垂体の疾患もこの病気を引き起こすことがあります。
副腎皮質ホルモンの産生が低下すると体の電解質のバランスが保てなくなり、血液量は少なくなり、心臓の機能は弱り、糖や脂肪の代謝もうまく働かなくなります。
【治療】
正しい診断と治療には各種の血液検査や副腎機能検査、レントゲン検査が必要です。
急性の場合は、点滴など緊急治療が必要です。慢性の場合は、副腎皮質ホルモンを補充します。
【症状】
・食欲が落ちる、体重が落ちる
・元気がなくなる
・たびたび嘔吐、下痢をする
そのほか
・水をたくさん飲む、おしっこの量が増える
急性症状は
・ショック状態になる、重症の場合は突然死にいたる
症状については1項目のみの場合もあれば、複数項目の場合もあります。

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